最近、肌のうるおいを保つ保湿化粧水が人気です。
保湿化粧水は、肌に水分を補給しながら、美容液やクリームなみの保湿力を高める効果が期待できるため、肌を保湿して美肌になりたい方や、乾燥肌対策をしたい方などに利用されています。
年齢を重ねるほど重要になる保湿
肌の状態を整える基礎化粧品には、エイジングケアや美白などさまざまな目的のものがありますが、化粧水などの基礎化粧品を利用するもっとも大切な目的は保湿です。
というのも、人の肌は、年齢をかさねるごとに皮脂量が減ってうるおいが失われてしまいます。
肌が乾燥すると、小じわの原因になったり、化粧のりが悪くなるなど、さまざまな美容への悪影響がでてきます。
逆に、皮膚の角質層や細胞内にうるおいを取り戻せば、乾燥でダメージを受けた肌の状態を改善することが可能です。
とくに肌がすぐにカサカサになってしまう乾燥肌の方は、保湿成分がたっぷりとふくまれている保湿化粧水でうるおいを補充すると、大きな肌ケア効果が見込めます。
保湿化粧水とは保湿成分を多く含む化粧水
保湿化粧水とは、化粧水のなかでも肌の細胞にうるおいを与えることに特化した基礎化粧品です。
基本的に化粧水は、肌に水分を補給し、肌質を整えて滑らかにするものですが、水分をいくら補給しても、肌に保湿力がなければうるおいが維持できません。
保湿化粧水には、何種類もの保湿成分が配合されており、それぞれの成分の相乗効果により皮膚の内部にまで水分を浸透させつつ、保水力を高めて乾燥しにくい肌をつくります。
保湿成分が水分を失わないようにサポートしてくれるため、肌の保湿力が低く、肌がすぐに乾燥してしまうという方でも、保湿化粧水を使うことで長く肌のうるおいが維持できます。
保湿化粧水に含まれる代表的な保湿成分について
保湿化粧水は、いろいろなメーカーからたくさんの種類が発売されていますが、配合されている保湿成分によって、効果に違いがあります。
自分の肌にあった製品を選ぶときの指針になるので、保湿化粧水に配合されている代表的な保湿成分について知っておきましょう。
グリセリンは肌に優しいベース成分
グリセリンは、化粧水のベースとなる成分の1つです。
ほかの成分を溶けやすくして、低温でも固まりにくくするはたらきがありますが、グリセリン自体にも多少の保湿効果があり、ほかの保湿成分と組み合わせることで効果を高めます。
またグリセリンは、エタノール(アルコール)などほかのベース成分にくらべて刺激が少なく、敏感肌や乾燥肌の方が使っても問題が起こりにくいという特徴があります。
肌が弱い方は、なるべくグリセリンをベースにした化粧水を利用するとよいでしょう。
水溶性セラミドは水分や油分をキープ
セラミドは、表皮の角質層に多くふくまれる成分です。
肌の水分保持や、外部からの刺激から肌を守るバリア機能などをもっていますが、年齢をかさねることにより、角質層内部のセラミドが減少すると、肌の老化や乾燥肌がすすむ原因になります。
保湿美容液にふくまれる水溶性セラミドは、この角質層のセラミドと同じようなはたらきをする成分で、肌に浸透することで水分や油分を角質層にしっかり挟み込んでキープしてくれます。
とくに、人間のセラミドに近い構造のヒト型セラミドは、ほかのセラミドにくらべて浸透力が高く、保湿性にすぐれ刺激も少ないので保湿成分として高い効果が期待できます。
ヒアルロン酸は高い保水効果で肌に水分を供給
ヒアルロン酸は、アミノ酸と糖分からつくられている保水性が高く低刺激の美容成分です。
保湿化粧水にふくまれるヒアルロン酸には3つの種類があり、それぞれ特徴が違います。
もっとも一般的なヒアルロン酸ナトリウムは、分子量が大きいため皮膚内部に浸透せず、皮膚の表面に、水分をふくんだ膜をつくって肌を保湿する効果があります。
それに対して、加水分解ヒアルロン酸は、細胞内に浸透しやすい超低分子なので、角質層内部まで浸透して肌の内部から保湿するため、肌を引き締めてシワやたるみにも効果を発揮します。
また、スーパーヒアルロン酸ともいわれるアセチルヒアルロン酸は、分子量を小さくしつつ肌に吸着しやすいようにつくられたヒアルロン酸で、肌の表面から水分が蒸発することを防ぎながら、角質層に水分を補給し続けるので、保湿効果が高くなります。
低分子化コラーゲンは保湿力を維持
コラーゲンは、タンパク質の一種で、保湿効果や皮膚に保護膜をつくる効果があります。
ふつうのコラーゲンは、分子量が大きく、皮膚内部まで浸透せず、表面に保護膜をつくって保湿やバリア効果を発揮します。
それに対して低分子化(ナノ化)されたコラーゲンは、水分を抱え込んだまま皮膚内部まで浸透します。
そのため、皮膚表面の湿度が下がっても、肌の内部に水分をかかえられるので保湿力が維持できます。
乾燥肌の対策として、より肌の保湿力を高めたい方は、低分子コラーゲンがふくまれた化粧水を選ぶのがおすすめです。
NMFは皮膚の保湿性を高め乾燥肌を防ぐ
NMF(天然保湿因子)は、肌が乾燥することを防ぐはたらきをもつ、表皮の角質細胞内にあるアミノ酸を中心とした保湿成分です。
NMFが十分足りていれば、うるおいのある肌が保てますが、NMFが少ない場合、いくら化粧水で水分を補給してもすぐに肌が乾燥してしまいます。
すぐに肌の保湿力が弱く、一般的な化粧水を使っても、すぐに乾燥してしまう方は、NMFを配合した化粧水を利用してみるのがよいでしょう。
肌が乾燥すると肌はどうなる?

私たちの肌は、角質層にあるNMF(天然保湿因子)と細胞間脂質、そして肌表面にある皮脂膜によってうるおいが保たれています。
しかし、NMFや細胞間脂質、皮脂膜が不十分だと肌が乾燥状態を起こし、さまざまな肌トラブルを招いてしまうのです。
ここでは、肌の乾燥が招くトラブルについて詳しく紹介していきます。
あなたが悩んでいる肌トラブル、実は肌の乾燥が原因かもしれません。
思い当たる部分がないか、今一度見つめ直しましょう。
外的ダメージを受けやすくなる
角質層のNMFや細胞間脂質は、肌のうるおいを保つだけではなく肌のバリア機能を整える働きがあります。
肌のバリア機能とは、紫外線や空気の乾燥、摩擦などの外的ダメージから肌を守る機能のことをいいますが、皮脂の分泌量が減って肌が乾燥状態を起こすと、角質層のNMFや細胞間脂質が逃げ出してしまいます。
すると、紫外線や乾燥による外的ダメージを受けやすくなり、肌荒れや肌の老化を招いてしまうのです。
肌のバリア機能が正常かどうかを自分で判断するのは難しいかもしれませんが、洗顔後に肌がつっぱる場合は肌のバリア機能が失われている一つの目安になります。
また、季節やホルモンバランスの変化によって肌のコンディションが揺らいでしまう人も肌のバリア機能が失われている可能性があるので、保湿化粧水で肌にたっぷりとうるおいを届け、肌の乾燥を改善しながらバリア機能を整えていきましょう。
乾燥小じわ
肌の乾燥は、小じわ(ちりめんじわ)の原因にもなります。
なぜなら、肌のうるおいが失われると、角質が厚くなって柔軟性がなくなり、肌表面に細かいシワができてしまうからです。
乾燥による小じわは、細かいさざなみのようなちりめん状のシワで、目元や口元に多く見られます。
保湿ケアを充分に行うことで乾燥小じわを改善することができますが、放っておくと深いシワとなって残るため、早め早めの保湿ケアが大切。
保湿化粧水や美容液、クリームを使って、角質層が乾燥しないようにケアしていきましょう。
くすみ
肌の水分量が不十分だと、肌のターンオーバーがうまくいかなくなり、くすみを引き起こす原因となります。
肌のターンオーバーとは、約28日周期で表皮が生まれ変わることをいいますが、乾燥によってサイクルが滞ってしまうと、本来垢となって剥がれ落ちる古い角質が肌表面に溜まってしまい、結果的に肌が黒ずんだりくすんだりするのです。
肌がくすんでしまうと、透明感が失われるため肌年齢が上がることも。
くすみを予防・解消するためには、充分な保湿ケアで肌のターンオーバーを促すことがポイントです。
また、くすみがちな人は保湿成分だけではなく美白成分(アルブチンなど)を配合した保湿化粧水を選ぶと良いでしょう。
毛穴詰まり
肌が乾燥することで、かえって皮脂量が増えてしまい、毛穴詰まりやニキビを起こします。
肌の水分量がなくなると、うるおいを守ろうとするために皮脂量が増える場合があります。
そして、肌の乾燥によって肌のターンオーバーが滞ると、皮脂がうまく排出できなくなるため、毛穴詰まりを起こしてしまうのです。
肌が乾燥するけど部分的にべたついてしまう、また洗顔後(保湿洗顔)はさっぱりするのに時間が経つと肌表面がべたついてしまう、という人は、肌の水分量が不足している合図。
べたつくところには、保湿化粧水で水分をたっぷり与え、少量の油分(ミルクやクリーム)でうるおいに蓋をしてあげましょう。
保湿化粧水で肌の乾燥を防ぐ!
肌の乾燥を改善するためには、保湿化粧水で角質層の水分量を増やしてあげることが大切です。
しかし、保湿化粧水をたくさん使ったところで成分が浸透する量や範囲は限られています。
大事なのは、ただ水分をたくさん与えるのではなく、保水力のある成分を効率良く浸透させ、正しいスキンケア方法で水分を逃さないようにすることなのです。
保湿化粧水やクリームをしっかり使ってスキンケアをしているのに、時間が経つと肌が乾燥してしまう…そんな人は、保湿化粧水の見直しが必要です。
保湿化粧水の選び方
スキンケアアイテムを適切な使用量で使っているにもかかわらず肌が乾燥してしまう人は、保湿化粧水の見直しで改善できる可能性があります。
しかし、何を基準に保湿化粧水を選んだら良いのかわからない人も多いでしょう。
そこでここからは、保湿化粧水の選び方について詳しく紹介していきます。
ポイントを押さえておけば、自分の肌にどんな保湿化粧水が合うのか見極めることができますよ。
肌の乾燥に悩んでいる人は買い替えを検討してみてください。
保湿力のある成分を配合した保湿化粧水を選ぶ
保湿力のある成分とは?
保湿化粧水のベースとなる成分は、精製水と呼ばれる成分です。
しかし、精製水だけではうるおいを与えてもすぐに肌の外へ揮発してしまうため、保湿化粧水には水分をキープする保湿成分がプラス配合されています。
そして角質層では、NMFと細胞間脂質によってうるおいが保たれているため、この二つの成分に似た性質を持つ保湿成分を選べば、肌の乾燥を改善することができるのです。
例えば、NMFに似た性質を持つ成分ならアミノ酸やコラーゲン、細胞間脂質に似た性質を持つ成分ならセラミドが挙げられます。
保湿成分には、うるおいを注ぐ成分とうるおいをキープする成分の二つに分かれているため、スキンケア直後は肌がうるおうのに時間が経つと肌が乾燥してしまう人は、うるおいをキープする成分を保湿化粧水で補いましょう。
保湿成分の主な例
| 働き | 性質 | 主な成分 |
|---|---|---|
| 水分を注ぐ | 角質層に水分を届ける。 | 精製水(保湿化粧水の基剤) |
| 水分をキャッチする | 水分を吸収する性質を持つ。湿度が低いと保湿力が下がる。 | アミノ酸 NMF グリセリン |
| 水分を抱え込む | 真皮に存在する成分で、各層内の保湿として作用する。湿度が下がっても保湿力はそのまま。 | コラーゲン アミノ酸 |
| 水分を挟み込む | 水分を挟み込んで、保湿力をキープする性質。 | セミラド レシチン |
| 水分に蓋をする | 肌に取り込んだ水分を蒸発させないように蓋をする。 | スクワラン |
低分子化された成分だと尚良い
肌にうるおいをもたらす保湿成分の中には、コラーゲンのように分子が大きくて角質層に浸透しにくい成分もあります。
水分量をキープする以前に、保湿成分が角質層に浸透しなければ意味がありません。
そこで、保湿成分が低分子化(ナノ化)している保湿化粧水を選ぶのもポイント。
成分の分子が小さければ小さいほど角質層に浸透しやすく、保湿効果が発揮しやすいのです。
メーカーによっては、独自処方で複数の成分をカプセル化したり、原料にこだわった成分を使用した保湿化粧水もあるので、保湿化粧水選びの目安にしてください。
極度の乾燥肌や敏感肌の人は無添加の保湿化粧水を選ぶ
肌にストレスを与える化学成分とは?
多くの化粧品には、品質を長持ちさせたり心地よいテクスチャーを実現するためにさまざまな化学成分が含まれています。
このような化学成分で肌質が悪化するケースはあまりないといわれていますが、肌のバリア機能が低下している敏感肌の人や、極度な乾燥肌の人にとっては少なからず刺激となりうる成分なので、極力避けたいものです。
■肌にストレスとなりうる成分の一例
着色料、合成香料、合成界面活性剤(石油系界面活性剤)、紫外線吸収剤、パラベン、アルコール、エタノール、保存料、鉱物油など
無添加の定義と選び方について
保湿化粧水に限らず、無添加を謳っている化粧品はたくさんありますね。
しかし、無添加の定義はメーカーによって異なるため、実際にはどの化学成分が無添加なのかをチェックしたほうが良いでしょう。
自分の肌に合わない化学成分があらかじめわかっている場合は別ですが、そうではない場合は無添加の項目が多いほど肌に負担がかかりません。
また化学成分に限らず、アレルゲンとなる成分が含まれている保湿化粧水は避けたほうが良いでしょう。
極度の乾燥肌や敏感肌の人は、無添加もしくは低刺激処方の保湿化粧水をチェックしてみてください。
アンチエイジングのできる保湿化粧水を選ぶ
アンチエイジングに欠かせない抗酸化成分とは?
肌の乾燥によりバリア機能が低下していると、活性酸素による影響でシワやたるみを引き起こす場合があります。
活性酸素とは、私たちが生活する上で欠かせない酸素の一つですが、紫外線や乾燥、加齢やストレスなどの影響で増えてしまうと体内の細胞を酸化します。
すると、コラーゲンやエラスチンの生成を妨げてシワやたるみを引き起こしたり、肌のターンオーバーが滞ってくすみや色素沈着の原因となるのです。
肌トラブルや老化を防ぐためには、十分な保湿ケアで肌のバリア機能を整えるほかに、抗酸化成分を取り入れることがポイントです。
■抗酸化成分の一例
ビタミンC誘導体(アスコルビン酸)、プラセンタ、アスタキサンチン、ポリフェノール、白金ナノコロイド、コエンザイムQ10など
エモリエント成分のある保湿化粧水を選ぶ
エモリエント成分とは?
エモリエント成分とは、角質層に含まれる水分が肌の外に蒸発することを防ぎ、うるおいをキープする油性成分のことをいいます。
乳液や美容液、クリームに含まれているのが一般的ですが、化粧水に含まれていることで保湿力をキープする効果が期待できます。
皮脂の分泌量が少ない乾燥肌の人や、デリケートな肌質の人はエモリエント成分が配合された保湿化粧水を選ぶと良いでしょう。
ただ、エモリエント成分の素材にアレルギーを持っている人は、パッチテストを行った上で使用してください。
■エモリエント成分の一例
スクワラン、オレイン酸、セラミド、ホホバ油、オリーブ油、ひまわり油など